会長年頭所感

森洋全石連会長

 

謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 全石連会長に就任して5年目、一貫してSS業者の7割を占める小規模事業者の視点で組織活動を推進して参りました。皆様からもご賛同いただき、目標に向かって着実に進んでおりますこと、改めて御礼申し上げます。
 昨年は新型コロナウイルスが2月以降に国内で感染拡大したのを契機に、全く異なる社会生活を余儀なくされ、SSでも過去に経験のない減販をしつつも生活に不可欠な燃料供給のために営業を継続したご苦労に対し感謝申し上げます。

 また、コスモエネルギーホールディングスによるキグナス石油との提携強化が1月以降本格的に開始され、11月には出光興産と昭和シェル石油のブランド統一も決まり、元売再編が最終局面に入りました。需給状況は適正化が着実に進展し、精販関係はかつてないほどに信頼関係を構築できたのではないでしょうか。元売各社にはこの関係をさらに深化させ、新たな生活様式への対応を精販一体で進めていくことを期待しております。 菅義偉首相の2050年カーボンニュートラル(炭素中立)宣言を受けて、30年代半ばまでに乗用車、新車販売で電動車を100%にするとの公表もあり、これまで資源エネルギー庁が想定したガソリン需要が年率2.2%減という予測がさらに上振れすることも覚悟しなければなりません。
 一方で、環境・社会・企業統治といういわゆるESG経営や、持続可能な開発目標であるSDGsなどへの対応は、今後、避けては通れない課題として前向きに挑戦し、EV・FCVの普及等に応じた総合エネルギー拠点化、地域コミュニティインフラ化など、地域の暮らしと移動を支えるエネルギー供給の担い手としての将来的展望を見据えた経営が重要となります。市場規模が縮小する中で、販売量で存廃を決するこれまでのビジネスモデルから決別し、付加価値重視の経営に移行しなければなりません。収益率を高め、持続可能な経営を念頭に、多角化を含め再投資できる未来を切り開くという意識変革が求められています。
 地域の経済・社会を支え、エネルギー供給の根幹に立つ商売としての誇りを持ちつつ、地域のコミュティインフラを目指すことが大切です。そのためには石油流通問題議員連盟のご支援をいただきつつ、確固たる意志で公正な競争環境の整備に取り組んでいく所存です。
 昨年は7月に九州各地を襲った豪雨や、12月の日本海側豪雪により多くのSSが被害を受けました。被災された組合員の皆様方の1日も早い復旧をお祈りいたします。また、被災されつつも地域の生命を守るために尽力されたSSに心から敬意を表します。住民拠点SSは組合員各位のご理解、資源エネルギー庁のご支援や元売各社、関連業界のご協力等により今年3月末には目標である全国1万5千ヵ所に達する見込みです。エネルギー供給の"最後の砦"となるSSとして、地域社会や経済活動を支える燃料供給の責務を果たしていかなければなりません。5年目を迎える『満タン&灯油プラス1缶運動』をさらに積極的に展開し、災害に備えた自衛的備蓄の重要性を訴えていくとともに、災害時に機能するための訓練に励んでいただきたいと思います。
 消防法規制見直しで、SS多角化に資する敷地の利用制限の緩和やセルフSSにおけるタブレット端末による給油許可が行えるようになりました。これを受けSSでの新ビジネスの可能性が広がりをみせています。今年もキャノピー制限の緩和、SS休業時の敷地利用緩和などが進められ、より地域拠点としてのSSの存在が高まることを期待します。
 『働き方改革』を目指しながら従業員が安心して働ける職場づくりに注力することは必須です。本年もこうした課題を一つひとつ乗り越えるためにも、収益性をさらに高め、持続可能(サステイナブル)な多角化を含め、再投資可能なSS経営を目指し皆様と邁進して参りますので、引き続き、ご理解、ご協力をお願いいたします。

2021年 元旦
全国石油商業組合連合会
全国石油業共済協同組合連合会
会 長  森  洋