2016年6月


経産省・再生エネルギーの買取価格、賦課金単価決定
(6月29日付)

 経済産業省は再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の2016年度の買取価格と再生エネ賦課金単価を決定し公表した。FIT導入以降、設置が急拡大している太陽光発電の買取価格は4年連続で引き下げる一方、普及が遅れている風力や地熱、中小水力、バイオマスについては15年度の買取価格・期間をそのまま据え置いた。
 太陽光の買取価格は、10kw以上のメガソーラーなどの非住宅用がKW時27円から24円に、10kW未満の住宅用のうち、出力制御対応機器設置義務なしが33円から31円、出力制御対応機器設置義務ありが35円から33円にそれぞれ引き下げる。非住宅用が20年、住宅用が10年の買取期間の変更はない。
 FITで再生エネの買取りに要した費用は、電気の利用者がその使用料に応じて負担する。このため、再生エネの導入が増えるほど負担額も増す仕組み。16年度の買取価格を踏まえた賦課金単価はKW時2.25円に決定。標準家庭(300kW時)の負担額は月額650円、年額8,100円と試算する。月額の負担額でみると、前年比で1.4倍に膨らむ。15年度の賦課金単価は1.58円、標準家庭の負担額は月額474円と試算していた。また、FITがスタートした12年度の賦課金単価は0.22円で、標準家庭の負担額は月額66円だったことから、16年度は12年度比で10倍弱に拡大する見通しだ。
 賦課金単価の上昇は買取費用の増大が要因。16年度は2兆3千億円を見込み、12年度の2,500億円から9.2倍に膨らむ。特に太陽光は他の再生エネに比べてコストもかからず、設置もしやすいためにFIT導入から企業の参入が相次ぎ、再生エネ導入の9割を占めるなど、負担増の一要因ともなっている。再生エネ機器・設備のさらなるコスト削減とバランスの良い再生エネ導入が大きな課題だ。






関東10都県で一斉路上軽油抜取調査
(6月27日付)

 関東甲信越の10都県(新潟、長野、群馬、栃木、茨城、千葉、埼玉、東京、神奈川、山梨)は13~20日、不正軽油の撲滅を目的に、各地で一斉に路上抜取調査を行った。10都県が同時に実施することで自治体間の連携を強化し、大気汚染や脱税の温床となる不正軽油の流通阻止を図った。
 抜取調査は各地の主要幹線沿いで実施、埼玉、千葉、神奈川が昨年度よりも調査場所を1ヵ所ずつ増やし、合計31ヵ所で行った。税務職員256人を含め、昨年度とほぼ同じ総勢406人が参加。警察関係者109人の協力を得ながら、大型トラックに停止を求めて合計943本を採油。また、首都圏の千葉、埼玉、東京、神奈川では、ディーゼル車規制に関する取り締まりも実施した。
 社会問題でもある不正軽油に対しては地元の大手メディアも高い関心を示し、新潟・新潟日報、群馬・上毛新聞、栃木・下野新聞、山梨・NHK甲府が取材に訪れた。
 即日検査したサンプルのうち、茨城では混和の疑いがある燃料1本を検出。今後、詳細な分析調査を行い、徹底して追跡調査を行っていく方針だ。


関東の10都県で、一斉に軽油路上抜取調査を実施した(写真は群馬県)




福島県石油組合・石連の作文受賞者を特別表彰
(6月22日付)

 福島県石油組合(根本一彌理事長)はこのほど開催した会津若松支部総会で、石油連盟の2015年度第17回作文コンクールで文部科学大臣賞・石油連盟会長賞を受賞した鈴木さん(会津若松市立小学校5年生(受賞時))を特別表彰した。
 鈴木さんの受賞作文「未来を創る石油~オリンピックへ~」は石油資源の広範囲な利用や石油を通して未来を思い巡らせる内容となっており、石油に携わる人たちに使命感を再認識させるとして感銘を受けたことから、5月23日開催の総代会で特別表彰を決めた。
 表彰式では根本理事長から「この作文は石油の持つ有用性と社会性を深く探求され、優れた作品でした。深く感謝の意を表し表彰します」とする特別表彰状が鈴木さんに授与された。副賞として図書券を贈呈したほか、母親の敦子さんには会津若松支部から灯油200リットル、小学校には5冊の石油・エネルギー関連の本を寄贈した。
 根本理事長は「いろいろなところで石油は活躍しているが、この作文には非常に感銘を受けた。もう一度、我々は社会のためにいろいろな形で石油が大事に利用されるようにしていきたい」とあいさつ。表彰された鈴木さんは「震災があった時、父や母がガソリン、灯油を求めて遠くにあるスタンドに並んだり、ダルマストーブを探したりしたと聞きました。石油は生きていく上でなくてはならないものであることを強く感じました。輝かしい未来を支える石油を大切に使っていく方法を考えることも石油の恩恵を受けている私たちの使命だと強く感じました」とお礼の言葉を述べた。


特別表彰状を授与する根本理事長(左)と鈴木さん(右)




東京足立支部・地元消防署と災害時協定
(6月16日付)

 東京消防庁足立消防署(國府田洋明署長)と東京石商足立支部(吉村美知明支部長)は10日、大規模災害発生時等における燃料供給に関する協定を締結した。これに伴い、支部員の20社・22給油所が同署および足立消防団への優先供給に協力していく。
 首都直下地震の発生が懸念される中、足立区地域防災計画による被害想定では死者712人、負傷者9,033人、建物焼失1万6,124棟などが見込まれる中で、同署所有の消防車両32台、可搬ポンプ9台、また消防団所有の車両7台、可搬ポンプ45台の燃料確保に大きな不安や課題を抱えていたため、支部員給油所の協力を得ながら、消防・救急活動の円滑化を進める体制整備を図った。
 あいさつで國府田署長は「かねて締結されていた協定に加え、消防団まで加えていただいた。3・11では燃料不足で大変な思いをしたのが現実。万一の際には、現場活動する我々にぜひご協力を」、古庄団長も「協定が締結され、消防団としても一安心」などと謝意を示した。これを受けて吉村支部長は「業況が厳しい中、協定に応じてくれた支部員にまず感謝したい。熊本地震では、3・11の教訓が生かされた。関東での大地震に備え、皆で協力し合い、災害時には優先供給に尽力したい」と強調した。


支部員が優先供給協定の締結式に臨んだ(前列右から2人目が吉村支部長)




神奈川アセント・地元消防と合同訓練実施
(6月13日付)

 地域の安心・安全を守ることを目的とした危険物災害対応消防訓練が9日、神奈川県川崎市に本社を置くアセント(堀内資公社長、JX系)のDr.Drive初山給油所において、同社と川崎市の宮前消防署との合同で実施された。この訓練は宮前消防署からの協力要請を受け始められたもので、今年で5回目。
 早朝からの訓練ではセルフ給油所の来店客が給油中に誤って漏えい、出火した想定で実施。緊張感漂う中、給油所スタッフが訓練を開始し、消防車で駆けつけた消防隊員が本番さながらの手際で泡放射による消火活動(写真)を実施するなど対応した。
 実地訓練の終了後、あいさつした堀内社長は「平時から消防との連携を強め、地域社会に安心・安全を提供したい」と述べ、宮前消防署の林裕二警防係長も平時からの施設管理・点検の重要性を説明、そのうえで「実地訓練を給油所と一体となってできることは大変有意義でありがたい」と感謝を述べた。






九州電力・熊本地震協力で全石連に感謝状
(6月10日付)

 熊本地震に伴う送電線の倒壊で阿蘇地域一帯が停電したが、この際に被害を受けた電力設備の復旧や被災地の病院や避難所などへの電力供給に向けて、困難な環境の中で高圧発電機車への燃料供給に尽力したとして、九州電力は7日、全石連(関正夫会長)と石油連盟(木村康会長)をそれぞれ訪問し、瓜生道明社長名で感謝状を贈呈した。
 4月14日の前震と16日の本震によって熊本地区、阿蘇地区の最大48万戸が停電。その中で阿蘇地区への送電設備が使用不可能になったために高圧発電機車による送電を開始したが、被害エリアが広大なことから全国の電力会社からの応援も含めて169台の発電機車が投入された。
 4月28日まで続いたこの非常体制で、これらの多数の発電機車にタンクローリーやドラム缶で24時間休みなく軽油を供給したのが熊本県石油組合(三角清一理事長)に加盟する組合員事業所や元売各社で、円滑な連携体制の維持に取り組んだのが全石連、石油連盟だったことから感謝状が送られたもの。
 九州電力の永友清司業務本部資材部長は、「発電機車でエリア全体に送電したのは初めての経験だ。それを支えていただいた石油業界、事業者の皆さんに感謝申し上げたい」と述べた。河本博隆全石連副会長・専務理事は、「我々としても全力で協力したが、三角理事長をはじめとする地元の組合員の頑張りが大きかった」と述べ、一方で「電力業界としても石油の重要性をご理解いただいたと思う。平時からできるだけ石油を使っていただき、給油所ネットワークの維持にご協力いただきたい」と要請した。


九州電力の永友資材部長から感謝状を受け取る全石連の河本副会長・専務理事(右)




高知・給油所が総合防災訓練に初参加
(6月8日付)

 四国経産局、高知県、高知県石油組合(武井勝一理事長)などは6月5日、四万十市内の野並商事(野並昭仁代表・EMG系)の中村東給油所の協力を得て、緊急車両への給油訓練などを実施した。高知県総合防災訓練(メイン会場は高知県宿毛市内)の一環として行われたもので、同石油組合と組合員給油所が同訓練に参加するのは今回が初めて。
 中村東給油所の訓練は、通常の計量機用の電源を切り、自家用発電機に切り替えて計量機2基を稼働させて、緊急車両(当日はパトカー)に給油した後、通常電源の状態に戻していくというもの。同訓練には原田富雄四国経産局資源エネルギー環境部長をはじめ、高知県危機管理課担当者、高知石商ら、多数の関係者らが参加し、訓練の一部始終を視察していた。
 今回の訓練に関して野並代表は「県危機管理課と四国経産局からの要請を受けて、災害時対応という重要な訓練であることから引き受けた」と、災害時における給油所と訓練の重要性を訴える。
 県内では昨年6月にも資源エネルギー庁、防衛省、高知県などによる石油製品輸送の合同実働訓練を実施しており、全国初のミニ給油所設置による給油訓練なども行っている。


自家発電機を使ったパトカーへの給油訓練




武生石油協会・越前市と災害協定締結
(6月3日付)

 福井県石油組合・武生石油協会(河嶋衛会長、河嶋連蔵商店社長・出光系)は、地元の越前市(奈良俊幸市長)と「災害時における石油燃料の供給に関する協定」を締結した。福井県石油組合関係の行政との災害時協定は、福井支部が先行していたが、東日本大震災を受けてこの2年余で締結が急速に進み、これまでに県石油組合と県をはじめ支部や地区協が敦賀市、勝山市、大野市、小浜市、永平寺町、鯖江市と調印を結び武生石協は9地区目。
 JR武生駅前の同市福祉センター内で行われた調印式には、組合側から河嶋会長の他、林直樹副会長(林石油店社長・JX系)、川端幸光副会長(マルトミ社長・出光系)、藤井信太郎前会長(藤井商店社長・PB)と県石油組合の河部秀範専務理事ら7人、市側から奈良市長と水上正美危機管理官ら幹部が出席。西野孝信防災安全課長が①災害時における緊急通行車両及び災害対策上重要な公用車等に対する石油燃料の優先的供給、②平常時から石油燃料の供給を組合から受けている公的施設等への優先的供給、③交通機関途絶での帰宅困難者への情報、飲料水、トイレの提供④市から要請を受けた時は特段の事情がない限り可能な限り協力する―などの協定内容を説明。これを受けて河嶋会長と奈良市長が協定書に署名・押印し握手を交わした。
 奈良市長は「熊本地震で避難住民は建物の中にいられないほど大きな余震が続き、エコノミー症候群に悩まされるなど災害時の新たな課題も問題になっている。当市も災害時対策に取組んでいるが、民間や市民の協力は欠かせない。そうした中で石協と協定を締結でき心強い限り」とあいさつ。河嶋会長は「給油所は災害時におけるエネルギー供給の最後の砦。我々はいかなる場合でも協定に基づきその使命を果たすべく、全力で頑張っていく」と力強く述べた。
 越前市は2005年に旧武生市と今立町が合併して発足(人口約87,000人)。協定は市内16事業所の24給油所と灯油専門5ヵ所の29給油所が対象となる。


越前市と災害協定を結んだ組合役員ら(中央右・河嶋武生石協会長、同左・奈良越前市長)