2016年3月


群馬県石油組合・県と連携し緊急給油、配送訓練実施
(3月25日付)

 群馬県石油組合(小野里克巳理事長)は23日、県と連携し災害時における給油所店頭での緊急車両給油訓練や、県指定の重要施設への配送訓練を実施した。同組合と県が締結している災害協定に基づき、中核給油所では自家発電機を稼働させ燃料供給作業などを行い、災害発生時における的確な対応体制を確認。同組合による訓練参加は3回目で、中核給油所の鈴木燃料(高崎市、鈴木明弘社長・EMG系)高崎環状セルフ給油所、小口燃料配送拠点の群馬自動車燃料販売(高崎市、小野里克巳社長・EMG系)に協力を得た。
 今回の訓練は前日午後3時30分ごろに東京湾北部を震源とする最大震度7の大地震が発生、県内の広範囲で停電したとの想定のもとに、県が同石油組合に対し燃料供給を要請。これを受け衛星電話を使い、該当給油所に対して緊急給油を連絡した。給油所では自家発電機の稼働と緊急車両用レーンを設置するとともに、スタッフがガラスの破損、ガス漏れ、照明などの落下、地下タンク、計量機、ドライブウェイなど諸設備の点検と安全性を確認。また、非常用電源に切り替えて給油体制を整えた。今回はパトカーに加え救急車への緊急給油も実施している。
 一方、小口燃料配送拠点でも施設安全確認を行った後、自家発電機を稼動して群馬自動車燃料販売の高崎配送センターから東京電力、倉賀野バイパス給油所からは老人介護施設へ石油燃料を配送した。
 早朝に実施された訓練では、同組合と県との情報共有も円滑に行われ、実践さながらに緊急燃料供給体制の確立に努めた。


災害対策に向け、今回はパトカーに加え救急車にも給油訓練を行った




経済産業省・水素ステーション、25年度までに320ヵ所へ
(3月23日付)

 水素インフラ・自動車メーカー代表、有識者らで組織する経済産業省の水素・燃料電池戦略協議会は16日に会合を開き、2025年度までの水素・燃料電池戦略ロードマップの改定案を提示した。燃料電池車(FCV)に水素を供給する水素ステーション(ST)を25年度までに320ヵ所、FCVも30年までに80万台まで増やす計画だ。メーカーや事業者にコスト削減やさらなる技術開発を求めていくほか、規制見直しや補助制度などで普及を後押しする。月内にロードマップを正式決定するほか、引き続き、具体的な普及策を検討していく。
 ロードマップでは、フェーズ1として「水素利用の飛躍的拡大」を掲げ、①水素ST②FCV③定置用燃料電池(エネファーム)の普及拡大に向けて数値目標を初めて掲げた。水素STは1ヵ所あたり4~5億円とされる建設費や、4,000万円強とされる運営費などが足かせとなって、政府が目標として掲げていた15年度中に全国で100ヵ所という整備目標は、約80ヵ所にとどまる見通しだ。
 このため、設備・機器の小型化やパッケージ化などによるコスト低減に向けた技術開発への政策・補助支援のほか、保安検査の合理化や給油所のセルフサービスのようなセルフ充填も可能とする規制の見直しなども検討。20年度まで15年度から2倍となる160ヵ所に、25年度までに4倍となる320ヵ所まで拡大する。
 FCVはトヨタ自動車が14年に「MIRAI」を、ホンダも今月10日に「クラリティ フューエルセル」を発売したが、販売台数は現在約500台となっている。700万円台の高額な車両価格の低下や補助支援などにより、20年までに4万台、25年までに20万台、30年までに80万台を目指す。25年にはより多くのユーザーに訴求するために、ボリュームゾーン向け(200万円程度)のFCV投入も目指すとした。
 エネファームについては、1月末現在の普及台数は約15万台となっており、さらなる機器・設備のコスト低減や小型化などによる技術革新により、142万円となっているPEFC(固体高分子形燃料電池)型を19年までに80万円に、177万円となっているSOFC(固体酸化物形燃料電池)型を100万円まで引き下げ、20年に140万台、30年に530万台の普及を目指す。
 一方、フェーズ2では20年代後半の実現を目指し、水素発電の本格導入を掲げたほか、フェーズ3では、40年ごろの実現を目指し、再生可能エネルギー由来の水素の利活用によるCO2フリーの水素供給システムの確立を図っていく。






島根県石油組合・松江地方気象台と災害時協定締結
(3月23日付)

 島根県石油組合(土田好明理事長)は15日、県石油会館で松江地方気象台(花房真二台長)と、「災害時における石油類燃料の優先供給に関する協定」の調印式を行った。石油組合と気象台との災害時支援協定は気象庁本庁、仙台、青森などが結んでいるが、近畿以西では初めてであり、全国的にも5ヵ所目となる。
 調印式には、同組合から土田理事長、石川武副理事長、松江地方気象台から花房台長、須藤賢一次長、才原一浩業務・危機管理官が参加した。
 調印後に花房台長は「災害時にも正確な気象情報を提供することは重要な役目であり、そのためにも所有車両や自家発電機への燃料確保が必要と考えて、今回石油組合さんに申し入れたところ快く受け入れてもらえた」と感謝の言葉を述べた。
 また、土田理事長は「5年前の東日本大震災での経験を基に国も中核給油所の整備など、いざという時の燃料供給対策に力を注いできている。当組合でも20数ヵ所の給油所が災害時でも燃料供給できるようになっている」と安定供給ネットワークの強化に取り組んでいると指摘。「災害時には緊急車両などへの燃料供給は我々にとって重要な役目であり、気象台も正確な気象情報を提供してもらうといった面で重要と考えて協定を結ぶことにした」と協定締結の意義を説明した。
 なお、松江地方気象台では業務用車両としてはガソリン車2台を所有しているが、緊急対応としてレンタカーの使用も予定しており、今回の協定は、これらの車両への燃料供給とともに、同気象台に設置している非常用発電機(A重油仕様)や三坂山気象レーダー観測所非常用発電機(軽油仕様)への燃料供給も含まれている。気象台によると「両発電機はフル稼働させれば燃料が満タンの場合は3日間は大丈夫」としている。


調印後に握手する土田理事長(右)と花房台長




ガソリン登録車・排気量の小型化進む
(3月18日付)

 ガソリン車(軽4輪を除く)の排気量が小型化している。昨年3月末現在における排気量別の構成比をみると、初度登録ベース対比で、2014年のクルマは「1,000cc以下」が5.9%(04年は2.4%)、「1,000cc超~1500cc」が44.2%(39.4%)と、1,500cc以下の小排気量車だけで50.1%(41.8%)と過半に達し、10年前と比べて約1割増加していることがわかった。
 また「1,500cc超~2,000cc」も35.4%(28.1%)と増えており、2,000cc以下でみれば85.5%(69.9%)と大半を占め、ここ10年で15ポイント超も増えた格好だ。軽4輪も含めれば“小排気量ガソリンエンジン搭載車”の増勢は明白で、燃料消費量にも大きく影響しているとみられる。
 これに対して、「2,000cc超~3,000cc」は11.5%(24.4%)、「3,000cc超~6,000cc」は2.9%(5.2%)と減少。2,000cc超のクルマは全体の15%(30%)と半減している。
 なお、15年3月末時点でも前年と同様の傾向が続いている。







愛媛中予支部・松山市と災害時協定締結
(3月16日付)

 愛媛県石油組合中予支部(一色隆士支部長)は11日、松山市(野志克仁市長)との間で「災害時等の石油類燃料の供給等に関する協定書」の調印式を行った。同石油組合の支部単位での災害協定は西条・周桑支部に次いで2番目となる。当日はセブン-イレブン・ジャパンと松山市との協定調印も同時に実施された。
 協定書への調印後に野志市長は「市としても自主防災の組織化、防災士認定、全国初の防災協力事業所に対する表示証の配布など、防災には積極的に取り組んでいる。今回の愛媛県石油組合中予支部、セブン-イレブン・ジャパンとの協定は、災害時に飲料水、食料品などの供給から緊急車両などへの燃料供給といった面で、市民はもちろん、松山市を訪れる観光客にとっても非常に心強いものになる。今後も市の防災力強化に尽力をお願いしたい」とあいさつした。
 一方、一色支部長は「5年前の東日本大震災の時には、自分たちも被害を受けていながら、懸命に燃料供給に取り組んだのが我々の仲間であった。これによって改めて燃料の安定供給の重要性が認識された。災害はいつ発生するかわからないが、協定が実効性のあるものとしていきたいし、組合としても組合員への意識向上に努めていく。さらに市側とも緊密な情報交換を図っていきたい」と、災害時のより実効性のある協定に向上させていく考えを強調した。


調印後に野志市長(左)と握手する一色支部長




東京多摩北支部・給油所スタッフなど普通救命講習を受講
(3月14日付)

 東京都石油組合多摩北支部(小川隆雄支部長)は8日、東京消防庁小平消防署で普通救命講習を受講、支部役員・支部員と給油所スタッフが3時間にわたって座学と実技指導を受け、救命方法の体得に努めた。同支部管内の小平市内で中核給油所を運営している小川支部長らの3社は、東日本大震災で浮き彫りとなった地場給油所の存在意義に対する理解促進や地域との連携強化を図るため、2014年度から市主催の総合防災訓練にも参画。石油組合による社会貢献活動の一環として、安全安心な地域づくりへの関与を広げた格好だ。
 東京消防庁や都医師会などが監修、東京防災救急協会が編集した「普通救命講習テキスト」(ガイドライン2010対応)を活用しながら、応急手当の重要性、救命処置、止血法、救急相談センター(♯7119)の利用方法、応急手当の実施による法的責任などについて学ぶ一方、心肺蘇生における一連の手順、AEDの活用や気道異物除去などの方法を全員が実技。
 命を守る応急手当で重要な胸骨圧迫・人工呼吸の留意点と具体的なやり方、生存率を大きく左右するAEDの取扱い方法などを反復練習し、「人命救助に臨む勇気」の大切さを確認し合った。
 講習会に際して小川支部長は、「東日本大震災から5年が経つ。当時の給油パニックはいまなお忘れられない出来事だったが、首都直下地震も懸念される中で、石油販売業者・給油所は災害対応力を高めておくことが重要だ。救命方法を体験しておくことは、大地震に限らず、交通事故や急病人への対応にもつながる。そのためにも知識と実技を少しでも身に付けておこう」などと呼びかけ、地場給油所の存在意義高揚を訴えた。


受講者は3時間にわたって救命のための実技などを反復練習した




石川七尾鹿島支部・中能登町と災害協定締結
(3月9日付)

 石川県石油組合七尾鹿島支部(荒川直司支部長、丸一石油常務・JX系)は鹿島郡中能登町と「災害時における石油類燃料の供給に関する協定」を締結した。石川県の災害時協定は東日本大震災以降、県石油組合と県に続き支部ごとに金沢、小松、珠洲、七尾の各市と結んでいるが、町との調印は初めて。
 同町の鳥屋庁舎で行われた調印式には、組合側から荒川支部長、近江辰春副支部長(新光商会社長・出光系)、山下勝県石油組合専務理事ら、町側から杉本栄蔵町長、廣瀬康雄副町長、防災担当の堀内浩一参事、清酒秀樹総務課長補佐らが出席。
 災害時での町民の生命と財産を守るため①町が指定する緊急車両や避難所等への優先給油②給油所は帰宅困難者への飲み水、トイレ、道路被災状況など情報を提供する③平常時から石油類燃料等の備蓄・安定供給に関して協議する―など協定内容が説明された後、荒川支部長と杉本町長が「協定書」に署名、押印した。
 2005年に能登半島中央部の鳥屋、鹿島、鹿西の旧3町が合併して発足した中能登町は人口約1万9,000人。同19年の能登半島地震で震度6弱を被災、家屋倒壊など大きな被害を受けているだけに、杉本町長は「石油組合との協定は心強い。これを機に一層意見交換、交流を重ね万一の災害に備えていきたい」とあいさつ。
 荒川支部長は「5年前の東日本大震災ではローリーに石油を満載して宮城県まで応援に走った。その貴重な経験から、車での移動手段のガソリン、命を守る灯油が被災地にとってどれほど大事なものかを実感した。地元が被災した時は協定に基づき全力で協力していく」と述べた。


災害時協定を結んだ(左から)七尾鹿島支部の谷英雄・谷石油社長(昭シェル系)、
山下・県石油組合専務理事、杉本町長、荒川支部長、近江副支部長、
辻口正志・ヨシカワエネルギー社長(JX系)、藤林良昭・藤林石油社長(同)




関東経済産業局「災害時供給体制強化」でセミナー
(3月2日付)

 関東経済産業局は2月25日、都内で第4回関東地方エネルギー基盤強化セミナーを開催した。今回は「災害時における石油供給体制の強化に向けた課題と対応」をテーマに掲げた。東日本大震災発災直後から石油製品などの供給が途絶えた経験をもとに、製品供給・流通の観点から、国・石油業界などの取り組みを紹介し、大規模災害を見据えた安定供給体制の強化に向けた課題と対応策について、石油業界関係者らを招き、意見交換を行うとともに、国・自治体、関係団体、企業間の連携強化の重要性などを訴えた。
 過去のセミナーでは、第1回目が国の国土強靭化計画を取り上げ、2回目が広域パイプライン網の整備、3回目が分散型電源の導入促進をテーマに意見交換した。
 講演・事例発表では宮城県石油組合の佐藤義信理事長が「東日本大震災時の命のガソリン」をテーマに講演。激震・津波などに襲われた震災時の体験をもとに、発災直後の停電によって計量機が稼働しなかった中で、現場の給油所スタッフが“命のガソリン”を被災者らに供給するために、懸命になって手動操作で給油し続けた実態を強調し、「とにかく人の命を救うことが最優先だ。今後同じような大災害が起きた場合、経営者として、法律違反覚悟でも命を守るための非常時の決断が求められる局面が出てくると思う」と、人命救助に向けた非常時の柔軟な対応策の必要性を訴えた。
 また、資源エネルギー庁石油精製備蓄課の大江健太郎課長補佐は、製油所の耐震力強化や中核給油所などの取り組みを解説した。
 エイジアム研究所の比留間孝寿副社長は、安定供給確保に向けた官民の連携強化の重要性を訴えた。
 パネルディスカッションではこれら講師3人に加え、出光興産の谷田俊之物流部長、ニヤクコーポレーションの山下豊取締役、東京都の中川雅敏課長が参加。BCP計画の策定や自治体などとの災害協定締結などの取り組みを解説。
 供給者と需要家、行政の専門家・担当者らが一堂に会して石油製品供給体制の強化・拡充に向けた問題を共有し、東日本大震災の教訓を生かすためにも、震災を風化させないようにすることで必要との認識で一致した。


石油流通の観点から、災害時の供給体制について意見交換した