2014年11月


石川・防災総合訓練に初参加
(11月19日付)

 マグニチュード8.0の大地震と津波の到来を想定しての「石川県防災総合訓練」が16日、能登半島先端の珠洲市で行われ、県石油組合(野村幸宏理事長)が初参加。地元小口配送拠点の協和石油(本社・金沢市、コスモ系)珠洲給油所から、暖房用の灯油を本番さながらにローリーで避難所に緊急輸送した。
 消防庁の緊急消防援助隊中部ブロック合同訓練を兼ねた今年の総合訓練は、珠洲市の正院小学校や蛸島漁港を中心会場に実施。静岡を含む中部7県や埼玉県、陸海空自衛隊など89機関と住民ら約7千人が参加しての大がかりなものとなった。
 能登半島東方沖で午前8時半地震発生を受け、県庁危機対策課から県石油組合窓口、山下勝専務理事に灯油燃料供給の要請が携帯電話を通じて入ると、直ちに小口配送拠点指定で避難所に最も近い協和石油・珠洲給油所に出動を依頼。灯油油槽所を併設する同社は、珠洲地区責任者の上野靖彦、浜孝三の両取締役ら3人が給油所に集合し、施設内電源の喪失を確認。直ちに機材庫の非常用発電機をフォークリフトで運び出して作動させ、灯油3klをローリーに10分足らずで入れ、約6km離れた避難所の小学校に輸送して地下タンクに灯油を注入した。
 避難所に到着した際、現地視察の谷本正憲知事が、緊急燃料運搬の横断幕を張るローリーの前で「ご苦労さま」と組合員に声をかける一幕も。
 この間、小学校には自衛隊や県の防災ヘリコプターが次々と飛来し、避難民を救助する訓練や炊き出し、高齢者や児童らの高台への避難。倒壊ビルからの救出訓練などが大規模に行われた。
 県石油組合は、県との間で今年6月、災害時の緊急車両への優先給油、徒歩帰宅者へのトイレや水、道路情報提供などの協定を締結。55回目を迎える県の防災訓練に初めて参加となった。この日のローリーなどの活躍は、県委託業者が撮影して回り、広報用の防災ビデオに収録された。
 現地で給油所とともに対応した山下専務理事は「協力組合員のお陰で、緊張感を持ちながら真剣に取り組むことができた。今後もこうした有意義な訓練に積極的に参加し、災害時には石油が“最後の砦”であることを県民にアピールしていきたい」と感想を述べていた。

ローリーに給油する協和石油・珠洲給油所

避難所への灯油注入作業を撮影するカメラマン




エネ庁・東北経産局が陸自と石油輸送訓練
(11月12日付)

 資源エネルギー庁、東北経済産業局は7日、陸上自衛隊東北方面隊の震災対処訓練「みちのくアラート2014」で、自衛隊のタンクローリーによるJX日鉱日石エネルギー仙台製油所から丸山亘理中央給油所までの石油製品輸送支援訓練など実施した。訓練は宮城県石油組合(佐藤義信理事長)の役員が視察したほか、全石連の坂井信常務理事らも加わった。
 みちのくアラート2014における石油製品輸送訓練は、東日本大震災での経験を踏まえて、人命救助を行う自衛隊への石油供給の円滑化、避難所などで使用する自衛隊による民生用石油輸送の体制強化を目的に実施した。訓練はJX仙台製油所(仙台市)、丸山亘理中央給油所(亘理町、佐藤義信社長・JX系)、出光興産塩釜油槽所(塩釜市)の協力で実施したもので、自衛隊のタンクローリーが民間の製油所、油槽所に入り直接石油製品を受領するのは今回が初めてとなる。
 訓練は宮城県沖を震源とするマグニチュード9.0の大地震発生を想定して行われた。自衛隊多賀城燃料支処から出発してJX仙台製油所の陸上出荷積場に到着したタンクローリー(6kl)は、タンク内のガス抜き作業を行ってから軽油1klを積み込み、直ちに亘理中央給油所に向けて出発。約1時間で給油所に到着、すぐに給油所スタッフの協力を得て、自衛隊員が荷卸作業を行った。また、出光塩釜油槽所からは自衛隊活動用の燃料輸送訓練を行った。
 訓練終了後、佐藤理事長は3・11直後における給油活動や中核給油所について説明、「中核給油所整備では補助対象外もあって半分程度は自己負担したほか、備蓄するにしても様々なコストを負担しなければならない。国として本当に備蓄が必要と考えるのであれば、施設維持コストなどにもきちんと目を向けていただきたい」と支援を訴えた。
 一方、訓練を視察したエネ庁の浅野大介石油精製備蓄課課長補佐は「東北の訓練は皆さんの協力で立派に仕上がった。非常に緻密に組み立てられているので、全国展開していきたい」、守本憲弘東北経済産業局長は「課題はいろいろあると思うが、現場の声を聞いて円滑に回るようにやっていきたい」などと述べた。


軽油の積込み作業準備をする自衛隊員

自衛隊員が丸山亘理中央給油所で荷卸し作業を行った




気仙沼支部・警察署と災害協定締結
(11月7日付)

 宮城県石油組合気仙沼支部(高橋正樹支部長)は4日、宮城県気仙沼警察署と「災害時における燃料等の供給に関する協定書」を締結した。調印式には高橋支部長はじめ支部役員らが同席した。
 協定内容では、災害時発生時に同警察署からの要請を受けて警察車両に優先的に燃料供給を行うもので、燃料供給を受ける車両は緊急対応車両とわかるように表示標を示すほか、平常時から燃料の供給および相互の連絡体制などについて情報交換を行い、災害時に備えるなどことなどを盛り込んだ。
 富樫文彦気仙沼署長は「今回の協定締結により、災害時に警察車両に対して優先的に燃料を供給していただけることは心強い。市民の安全・安心を守るための警察活動の大きな支えとなる。今後も支部と緊密な連携を図りながら災害時には迅速、的確な警察活動をしていきたい」とあいさつ。高橋支部長は「大震災の翌日からそれぞれの会社が警察の皆さんといっしょに復旧、救命活動をやってきた。我々は協定があってもなくても防犯活動の給油所110番を含めて活動していくつもりだったが、この調印を機に業界は心を1つにして、さらに一致団結し地域の復旧、救命活動に努めていきたい」と決意を新たにした。


災害協定書を交わした高橋支部長(右)と富樫署長




福井・県総合防災訓練に初参加
(11月7日付)

 福井県石油組合(井田浩志理事長)が初参加した県総合防災訓練が1日、内陸部の勝山市で行われた。陸海空自衛隊や国交省近畿地方整備局、警察・消防、日赤など77機関と市民ら計3,500人が参加、先月22日に県と災害協定を締結した同石油組合も急な連携要請に対応した。
 午前8時過ぎ、大雨による土砂崩れと大地震とが重なり、市内全域に避難勧告が発令されたとの想定で、市内の中核給油所が参加。災害協定に基づき県から組合を通じて協力・出動要請の連絡を受けたあおい商事勝山バイパス給油所(JX系)は、計量機脇に「緊急車両専用給油レーン」の看板を一般車両が入らないよう設置。赤色灯を点けて給油にきたパトカーに対し、県発行の緊急車両証明ステッカーを所持しているかを確認したうえでレーンに誘導、給油した。 一方、勝山商事タキナミ給油所(コスモ系)は、停電時に備えた非常用発電機を作動させたり、緊急車両給油レーンに他車両の進入を防ぐ横断幕を張るなどの対応に努めた。
 また、市内のあおい商事油槽所からはローリーが出動。避難所に指定された市教育会館に到着後、すぐ職員の誘導に沿って館内暖房用の重油を給油口から注入、豪雪地の避難住民を安心させた。
 緊急車両への給油や避難所の動きは、生中継で主会場の河川敷・弁天緑地の大型スクリーンに映し出され、多数の市民や関係者が見入っていた。主会場では、雨の中で土砂に埋まった車からカッターを使い被災者を救出したり、燃え盛る仮設建物からの人命救助や消火活動など本番さながらの各種訓練が展開された。
 組合のヘルメットに雨がっぱとゴム長靴姿で臨んだ河部秀範専務理事は「初参加だが、経験を積むことができた意味は大きい。今回は協定締結直後で緊急看板を急ぎ作成するなどで精一杯だったが、来年以降はさらに内容を充実させ、万一に備えたい」と感想を述べていた。


緊急給油のパトカーを誘導するあおい商事勝山バイパス給油所のスタッフ




山梨・新たに災害協定を締結
(11月1日付)

 山梨県石油組合(西川一也理事長)と県による新たな災害協定の締結式が4日、県庁内で行われた。同組合からは西川理事長、小田切寛、中込徹、望月眞一3副理事長、県からは横内正明知事が出席。それぞれ協定書に調印し、固い握手を交わした。
 新協定では「災害時給油所地下タンク製品備蓄促進事業」の採択を受け、優先供給や帰宅者支援のみだった従来の協定に、燃料備蓄支援に関する条項を盛り込み、災害発生時の燃料供給体制強化を目指している。
 西川理事長は「給油所の燃料不足が問題となった東日本大震災を教訓に燃料確保を図るもので、組合では中核給油所や小口配送拠点を指定し万全を期しており、在庫を常時確保しているので緊急時にはガソリンや灯油、軽油、重油を円滑に給油できると思う。協定に基づき、県の要望を果たしていきたい」と抱負を述べた。
 横内知事は「2月の大雪災害の際には、県内の主要幹線道路が断たれ、県外からの燃料供給が不可能になった。幸いにも県民の自動車利用が少なかったので、県内給油所の燃料でまかなうことができたため大きな混乱は起きなかったが、安定供給が課題として浮き彫りとなった。協定による平時からの備蓄で災害拠点病院など重要な施設への供給が一層強化され、負傷者など県民の命を守るうえで大変有意義。本県の防災対策充実に大きく寄与し、大変心強く感じる」と期待を寄せた。


新たな災害協定に調印し、横内知事と固い握手を交わす西川理事長(左)