2014年1月


北海道・石連と各地方石油組合が8自治を提案訪問
(1月31日付)

学校など災害時に避難所となる公共施設への石油機器導入を提案するための自治体訪問を、石油連盟(石連)北海道石油システムセンター(立岩敦所長)と各地方石油組合が協力して展開している。避難所にポータブル石油ストーブやガソリン燃料の非常用発電機を備えるなどの対策をしている自治体は多いものの、同センターは「短期的な対策としてはそれでも良いが、長期的な視点も必要」として、平時にも使用できる石油システムの導入を強く要請している。
 自治体訪問は2013年10月下旬の千歳を皮切りにこれまで8市を巡回しており、2月中にあと3市を訪れる予定。昨年度も同センターは各石油組合との協力で各市の教育委員会を回ったが、今年度は防災関連部署を訪問し、災害時に強い石油機器の導入を提案している。
 これまでに訪問を終えたのは千歳、恵庭、札幌、旭川、函館、北見、釧路、苫小牧の8市。同センターらは危機管理対策室などこれらの防災関連部署に、まずエネルギーとしての灯油の長所をアピール。経済性が高く、CO2排出量が電気の半分以下で環境にも優しい灯油を平時から利用することを勧めた。さらに備蓄や輸送が最も容易なエネルギーが石油であり、災害発生直後から使用できる利点を強調。避難所となる学校などの公共施設に最適な石油機器の導入モデルを提案した。
 これらの説明に対し、各市とも東日本大震災の経験などから、災害時における石油の重要性に理解を示した。「災害時の暖房としては、ポータブル石油ストーブとポリ缶を各避難所に配備している。ガソリン仕様の非常用発電機も配備」(恵庭)、「避難所となる小中学校に各校2台、計618台の灯油ストーブを今年度購入済み」(札幌)、「避難所の暖房は赤外線ヒーター。非常用発電機はガソリン仕様を100台用意」(苫小牧)など、すでに緊急用の石油機器を避難所に備えた市も多かった。
 しかし、同センターが今回提案しているのは体育館の床暖房・パネル暖房などの「平時に使用し、緊急時にも活用できる石油システム」の設置。「新しい施設への自立型エコフィールの導入を検討していきたい」(北見)、「老朽化による取り替えのタイミングが合えば、石油機器導入を検討したい」(函館)という前向きな回答もあったものの、「頭では理解してくれてはいるが、反応はいまひとつ」と立岩所長。
 「短期的にはポータブル石油ストーブの備蓄でも良いかもしれないが、避難が長引けばそれだけではむり。長期的な視野も入れて、通常設備のスタイルでの導入が必要だろう。ある市はエネルギーバランスの大切さを強調したが、避難所にはそぐわない。避難所で有効なのは石油であり、せめて体育館には通常設備を導入してほしい」と述べている。
 同センターと各石油組合の自治体訪問は今後、岩見沢(2月3日)、小樽(同25日)、室蘭(未定)を予定している。
 
自治体訪問用の説明資料




東京・大島で災害時対応研修会
(1月29日付)

東京都石油組合(荒木敬一理事長)は1月23日、大島町の組合員を対象とする災害時対応研修会を開き、都総合防災部防災管理課の川島一郎係長が「南海トラフ巨大地震に備えた都との優先供給体制」、また損保ジャパン日本興亜リスクマネジメントの横田川毅主任コンサルタントが「給油所における燃料の安定供給と災害時対応」と題し、島しょ部特有の対応も加味しながらそれぞれ説明したほか、タツノサービス本部の川畑洋介営業グループ課長が緊急用自家発電機の利用方法などを解説、荒木理事長も足を運んだ。同島では昨年10月、台風に伴う記録的豪雨による土石流災害で大きな人的・物的被害を受けたこともあり、経営幹部や責任者が多数参集し、熱心に耳を傾けた。なお、同石油組合では八丈島・三宅島でも同様の研修会を開催済みで、島しょ部の組合員との情報共有化を進めている。
 あいさつで荒木理事長は「東日本大震災で被災者が必要としたのは第1にガソリン、第2に食糧、第3に灯油だったという。災害に備え、万全の体制を敷いていただきたい」と訴えた。
 続いて川島係長は、内閣府がまとめた南海トラフ巨大地震の被害想定をもとに、大島町の津波高と到着時間、建物被害・人的被害、ライフライン施設被害を説明し、特に電力はディーゼル発電であることから「発電所自体は揺れや津波浸水によって停電となる可能性は低いが、配電設備の被害による停電は起こり得るほか、島外からの燃料供給が途絶え、一定期間停電する可能性はある」などと指摘。
 その一方、大震災時の燃料不足の発生や、島しょ部の被害想定が提示されたことを踏まえて2013年1月に同石油組合との安定供給協定が改定され、「新たに島しょ部の石油販売業者・給油所も安定供給制度の対象となった。大規模災害時に組合を通じて支援を要請した際には、できる限り優先供給にご対応いただきたい。具体的には、診療所や都の車両などが対象になるだろう。今後も島の防災対策や燃料供給の強化を図るべく、石油組合と協力し、燃料在庫や流通のあり方を研究していきたい」などと説明した。
 また、横田川主任は大震災における給油所被害様相、営業状況、店頭混乱の実態と、その教訓を踏まえた行政や石油業界の対応状況、対策を解説しながら、島しょ部の特性を踏まえた考察として「自動車利用の制約、分かち合い意識の高さ(奥尻島地震の経験)から、本土ほどには給油所店頭混乱は発生せず、むしろ生活維持物資としてガソリンより灯油の安定供給体制が求められる可能性がある。島内事情に応じた合理的分配が重要視されるだろう」との見方を示した。
 
 
大島町の組合員が多数参集し、災害時における島しょ部特有の対応方法なども熱心に学んだ




長野・災害時の行政連携円滑化へ危機管理委を発足
(1月27日付)

長野県石油組合(渡邉一正理事長)は1月30日に危機管理委員会(委員長=武重昌樹副理事長)を発足させる。同委員会は災害時において関係行政との連携円滑化を図ることを目的に設置するもの。構成メンバーは同石油組合執行部や中核給油所経営者などで、災害時における県内石油販売業界の司令塔的役目を果たすことが期待される。同石油組合では30日の初会合を踏まえ、来月には長野県との間で正式に連絡協議会を立ち上げる方針。
 危機管理委員会は総務委員会メンバー、各支部長、中核給油所を運営する主要な販売業者で構成する。委員長は総務委員長の武重副理事長、委員長を補佐する副委員長は平林一修専務理事が担当する。初会合では①委員会設立の背景と使命について②委員会構成メンバーについて③災害発生時における対応体制と緊急連絡網について④中核給油所・小口配送拠点の内容と災害時発生時の運用(災害時給油所地下タンク製品整備促進事業運用素案)について⑤平常時における地域社会・行政との係り方について⑥長野県危機管理部との協議会メンバーについて⑦今後の危機管理委員会運営への提言のついての7議案を協議する予定。
 同石油組合ではこれまで長野県をはじめ各自治体などと災害時協定を結んでいるが、今回の危機管理委員会を発足して組織内の体制を整備した後、2月には連絡協議会を立ち上げる方針。協議会では、平時からの協力体制のあり方をはじめ、具体的な運用体制などについて詳細な検討を行うことを計画している。石油製品の8割を貨物輸送に依存するという長野県の特性などを踏まえた官民一体による“長野方式”の災害時対応の体制整備を目指すこととしている。




全石連・JR東日本会津地区6駅にストーブ寄贈
(1月24日付)

全石連は1月21日、福島県喜多方市のJR東日本・喜多方駅で、駅待合室に設置する業務用大型灯油ストーブの贈呈式を行い、根本一彌副会長・東北支部長が会津地区の6駅に設置する灯油ストーブの目録を貝沼安造喜多方駅長に手渡した。東北のJR駅には今回の6駅を含めて10駅に11台を贈呈した。
 贈呈式には、根本副会長、福島・中村謙信副理事長、小林勝専務理事、全石連・大越和男共同事業グループ長が出席。
 根本副会長はあいさつで「石油販売業者は日ごろより、ガソリンはじめ軽油、重油、灯油などの石油製品を必要とされる国民の皆様のもとへ直接安定的に届けることを使命に取り組んでいる。東日本大震災では石油製品の重要性が改めて見直され、給油所の社会インフラ性が強く認識された」と述べたうえで、「特に灯油は寒冷地の暖房用エネルギーとしての経済性、暖房力、利便性を高く評価されている。少しでも多くの方々にその良さを知ってもらうため、駅待合室に灯油ストーブを寄贈させていただきます」と灯油の優位性についてアピールした。
 JR側からは贈呈先の会津若松、会津坂下、猪苗代の各駅長らが出席。贈呈駅を代表して貝沼喜多方駅長は「各駅にストーブが設置され列車を待つ間、快適に過ごしていただけるとともに、赤く燃えるストーブを囲みながらお客様同士のふれあいを楽しんでいただき、よい旅の出発、仕事に出かける前のくつろぎの時間となることを願っています」と謝意を表した。
 
喜多方駅長に目録を手渡す根本副会長・東北支部長(左)




愛知・災害に備え石油会館に緊急可搬式計量器導入
(1月24日付)

大災害など緊急時に備えての可搬式計量機とガソリン携行缶が、このほど愛知県石油組合事務局の石油会館に配備された。
東日本大震災に学び、停電などで給油所の計量機が使用不能になっても、地下タンクからガソリンや軽油、灯油を汲み出して被災住民らに提供できるよう、国の補助で組合が導入した。昨秋、搬入予定だったが、機器類は台風30号で約400万人もの避難民を出したフィリピンに送られ、愛知への搬入が約2ヵ月遅れとなっていた。
 配備された「緊急バッテリー可搬式計量機」は5台。タツノ製の同型で、被災地まで運び、車のバッテリーを利用して地下タンクから1分間に20リットル汲み上げる能力を持つ。給油量を指定し、開始ボタンを押すだけで、緊急車両や被災住民に簡単操作で給油できる。また、持ち運びのできるガソリン携行缶(20リットル容器)10缶も同時に配備された。
 これら緊急対応機器を被災地まで運ぶ軽自動車2台は、やはり全額国の補助ですでに組合に配備されており、移動計量機などの導入で災害時体制はひとまず整ったことになる。
 
愛知県石油組合が導入した緊急用の計量機(県石油会館で)




東京・青山石油販売 災害時帰宅支援マップを店頭に掲出
(1月22日付)

青山石油販売(本社・港区、谷口寿亜社長・出光系)は先ごろ、綜合警備保障と連携して青山南町給油所店頭に「災害時帰宅支援マップ」(仮称)ボードを掲出、給油所の社会性・視認性を生かす地域貢献活動を始めた。大規模地震の発生懸念が強まる中、帰宅支援に対する情報提供ニーズも高まっている。公園等には避難場所などを示すマップが掲げられているケースもあるが、災害時には幹線道路沿いの移動がメインになると見込まれることから、PR効果の高い給油所でモデル事業を開始したもの。
 帰宅支援マップはB2サイズ(縦725ミリ・横515ミリ)で、光度自動感知式のLEDライトを内蔵、夜間の閉店後でも視認しやすいのが特徴。道路面側に給油所周辺の避難場所や帰宅支援ステーションの位置、現在地の情報などを表示。また、店内側には給油所をはじめコンビニ、外食チェーンなど自治体との支援協定を締結している事業者一覧や支援内容、災害用伝言ダイヤル一覧などを紹介している。
 綜合警備保障は同給油所を事業所向けマップ設置モデル1号店と位置づけ、これを皮切りに給油所を含めた帰宅支援ステーションへの広域展開を目指し、広告による協賛やオリンピック開催に向けて多言語化も検討する。一方、東京石油組合理事長を務める谷口社長は、地域社会との共生を指向する給油所業者などに同マップの活用が広がっていくことに期待を寄せた。
 
 給油所発の新たな試みとして、災害時帰宅支援マップを掲出した




埼玉・不正軽油撲滅啓発へPR用エコバック作成
(1月10日付)

埼玉県石油組合(星野進理事長)は不正軽油撲滅の周知徹底を目的に、PR用のエコバッグを製作した(写真)。エコバッグは不正軽油の製造・運搬・販売・使用は犯罪であることを指摘するとともに、県の不正軽油110番の連絡先を記載し、積極的な情報提供を呼び掛けている。