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2016年12月


経営部会でエネ庁が事後調整の実態報告 仕切の建値化露わに
 
   全石連経営部会(浜田忠博部会長)は8日に開いた会合で、資源エネルギー庁石油流通課の小山和久課長と小野澤恵一課長補佐を招き、「取引慣行の公正・透明化に関する実態調査」について報告した。同調査(各社とも特約店のみで集計)によると、仕切価格が建値化している元売ほど事後的な調整額や修正期間が高い値を示す傾向が明らかとなった。当初の仕切価格の大幅な修正は、SS経営の大きなリスクになるだけでなく、最終的な仕切価格がわからないまま、採算を無視した安値乱売競争に巻き込まれる危険性を浮き彫りにした。
 同調査は、資源エネルギー庁で議論が進められている石油精製・流通研究会での議論を見据え、仕切価格体系や事後調整の現状など取引慣行の実態把握を目的に、9月末~11月上旬まで、民間調査会社に委託して実施。2015年7月頃以降の事後的な調整額の最大幅をみると、4円以上となっている割合が最も高いのは外資系B社で、全体の67%を達した。次いで民族系C社が61%、民族系B社が39%、民族系A社が33%の順となった。外資系A社は3円以内に収まっている。外資系B社の8%を筆頭に、民族系B社が3%、民族系A社が1%と10円以上のSSも存在する。
 調整額の平均幅でみると、やはり外資系B社が4円以上となっている割合が54%を占め最も高かった。次いで民族系C社が27%を占めた。
 玉の納入日から仕入れ価格が確定するまでの期間をみると、調整期間が長いのは32日以上が53%を占めた外資系B社だった。次いで民族系A社が35%を占めた。平均日数でみると、全系列とも大勢が1ヵ月以内となっており、請求書が届くまでの月単位あるいは週単位の価格交渉のプロセスの中で調整が行われているものとみられる。
 各委員からは、「仕切価格が形骸化し、俗に言う『天ぷら価格』になっている。それが元売にとって精製マージン確保などのプラスになっている面があるのではないか」、「建値があるから事後調整があるのでは。意味のないことをするべきではないと思う」、「大手商社などと我々地場特約店の格差が大きいので改善してほしい」などの意見が出たほか、小山課長に対し「元売販売子会社が地域によっては、仕切からは考えられない小売価格を打ち出しているところがある。本当に公平かつ公正な仕切体系が運用されているのか疑問だ」と販社ヒアリングの実施を要請した。
 浜田部会長は「OPECの減産合意による原油価格上昇と、米大統領に就くトランプ効果による円安で卸価格が上昇している。特に灯油は需要期を迎えているのに、在庫の確保が困難なこともあって影響を大きく受けている」と、仕切価格の上昇と灯油の需給動向に警戒感を示した。