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2016年2月


2015年ガソリン粗利・精販で明暗
 
   原油・資源安で8千億円ともされる在庫評価影響の巨額損失となる2015年の元売収益だが、原油CIFを基点とするガソリン卸(石油情報センター月次調査)から推計する元売のガソリン国内収益は、過去最高レベルに達した。元売の月次ガソリン粗利は15年平均で前年比2.4円/L良化の17.8円/Lで、内需の減少(前年比0.9%減)を差し引いてもガソリン粗利の総額は14.4%増の9,434億円となった。SS小売(エネ庁週市況調査ベース)粗利も過去15年間で最少だった前年に比べると0.4円/L良化の11.3円/Lだったが、粗利総額は2.7%増の6,002億円にとどまり、ガソリンの粗利格差は6.5円/Lもの過去最大の「精高・販低」となり、いびつな収益構造に拍車がかかっている。SS小売市況の実情はさらに低いとみられ、粗利格差はさらに大きいのが実態だ。
 15年のガソリン粗利は、前年比2.8円/L拡大して29.1円/Lとなった。2000年以降の過去16年間では最高で、特に元売サイドが前年比2.4円/L良化して過去最高となる一方、SS小売業サイドは0.4円/Lの良化にとどまり、11円前後の最少レベルに沈んでいる。15年の2.8円/Lというガソリン良化の果実の85%が元売側に偏重して流れた格好だ。
 ガソリン粗利の精販内訳は、09年まではほぼ2円/L以内の小幅な「精高・販低」だったが、10年3.6円、11年4.4円、12年3.7円、13年3.1円、14年4.5円で推移、これが15年は6.5円に急拡大する結果となった。石油業界のガソリン卸体系の標準仕様が、事後・月決め方式が08年10月から事前・週決めに変更され、その後、透明度を失う濃度に比例して「精高・販低」の格差が拡大したような外観がある。仮に14年並みの「精高・販低」にとどまった場合、SS小売業サイドに1円/L、合計531億円が配分されとことになる。1SS平均では158万円となる計算だ。
 ただし、15年の月次状況をみると、元売のガソリン粗利は10月の19.7円から11月16.5円、12月13.0円へと原油コストの下落を超える卸安のために急圧縮されており、卸市況の適正化を図ることが急務な状況にある。