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2015年4月


14年度末SS過疎地は283市町村に増加
 
 
  ガソリンなどの需要減や販売競争の激化などを背景に、全国的に給油所(=サービスステーション・SS)数が減少する中で、市町村内のSS数が3ヵ所以下の地域は、2015年3月末現在、283ヵ所に上ることが資源エネルギー庁がまとめた調査で判明した。公共交通手段に乏しい地方都市では、SSの減少によって、移動手段である自動車用のガソリンや農業機械用の軽油、高齢世帯などへの冬場の灯油配達に支障をきたす“SS過疎地”問題が年を追うごとに深刻化していることが浮き彫りとなった。
 石油販売業界は、少子高齢化の進展や原油価格の高騰、低燃費車の普及拡大などによって、ガソリン需要減が年々顕在化していることに加え、低マージンによる販売競争の激化が追い打ちをかけ、赤字企業が約半数を占める。こうしたSSを取り巻く経営環境の悪化で、SS数は1994年度末の6万ヵ所をピークに、毎年1千ヵ所以上が市場からの撤退を余儀なくされ、近年も1日に4ヵ所のペースで減少が続いている。14年3月末現在のSS数は3万4706ヵ所。
 こうしたSS減を背景に、人口減少や少子高齢化が急速に進む過疎地域ではすでに“ガソリン難民”や“灯油難民”と言われるように、石油製品の安定供給が困難になり社会問題化している市町村が出てきている。全石連では、市町村内のSS数が3ヵ所以下で、地域住民への石油製品供給に支障をきたす恐れが出てくる地域を“SS過疎地”と定義し、07年度から安定供給確保に向けた対応策の検討に着手。07年度末調査では222ヵ所に上った。
 その後、エネ庁の10年度末調査では全国の1727市町村(東京特別区を除く)中、SSが3ヵ所以下の市町村の数は238ヵ所に増加。12年度末には1719市町村中257ヵ所に、13年度末には1719市町村中265ヵ所に達した。
 今回まとめた14年度末調査では、SSが0となった市町村は前年の8町村から10町村に増加。新たに青森県西目屋村と奈良県黒滝村でSSがなくなった。また、1ヵ所しかない町村は3純増の66、2ヵ所しかない町村は15純増の96、3ヵ所しかない市町村は2純減の111となった。
 エネ庁では全石連(関正夫会長)、石油連盟(木村康会長)などとともに、過疎地などにおいて、石油製品の安定供給確保に不可欠なSSを地域住民・自治体が一体となって維持する取り組みをサポートする「SS過疎地対策協議会」を3月3日に立ち上げた。4月2日には初会合を開催。今後、地方自治体などによる先進的な取組事例を収集するほか、石油業界でこれまで積み重ねてきたSS過疎地対策に関する知見やノウハウを生かした課題解決に向けたアドバイス、支援を行っていくことにしている。また、SS過疎地の実態を精緻に把握するため、10km圏内・20km圏内といった道路距離に応じたSSの立地状況を検索できるシステムを今年秋を目途に開発する計画だ。
 一方、予算面でも2014年度から、過疎地域において市町村が策定する計画に、SSの整備・維持が盛り込まれるなどSS事業者と地方公共団体が連携した場合、地下タンク更新に対する補助率を3分の2から4分の3に引き上げている。



国・石油業界とでSS過疎地対策協議会を立ち上げた(写真右中央が宮沢経産大臣)