マンスリーeye‎ > ‎視点‎ > ‎

2012年9月


深井中央大学名誉教授講演「気候変動とエネルギー問題~CO2温暖化論争を超えて」
~CO2主犯説は間違い
 
 

 全石連全国理事長会議で、東大生産技術研究所・中央大学名誉教授の深井有氏が、「気候変動とエネルギー問題~CO2温暖化論争を超えて」をテーマに講演を行った。深井氏はCO2による地球温暖化問題を先導するIPCC(国連・気候変動に関する政府間パネル)が根拠とする気候変動に関するデータが「間違っている」と強調。「CO2の変動は気温変化の主な原因とは言えない」と主張した。そのうえで、国と地方とで約3兆円も支出している温暖化対策予算を「震災復興と新エネルギー開発に振り向けるべき」と訴えた。関正夫会長は「頭がすっきりした。我々はいままで、ガソリンを売ることが悪いことのように言われてきた。これからも自信を持って販売できる」と感想を述べた。講演要旨は次の通り。

     ◇    ◇
 地球温暖化騒動はIPCCによって起こされた。IPCCは「近年の温暖化は人為的原因による。温暖化はさまざまな災厄を引き起こす。さらなる温暖化を避けるためには、CO2排出削減が急務」と主張している。IPCCは政治組織であって、研究組織ではない。CO2による温暖化を前提に活動してきた。この騒動によって、日本を含め世界的にCO2削減に取り組まざるを得なくなっている。
 IPCCによる気候予測は、産業革命以来、大気中のCO2は急激に増加し、それに続いて気温の急上昇が起こった。産業革命以前の気温変化は小さいので、変化の主な要因は人為的なもの、すなわちCO2の増加であって、自然要因は極めて小さいとした。このシミュレーションに基づいて予測を行い、「地球温暖化によって異常気象や海面上昇など、不都合なことが起きる」、「いまCO2増加を抑えないと、将来、熱暴走が起こるかもしれない」などと警告した。
 果たしてIPCCの主張は正しいのか。IPCCが使った気象データは他のデータと全く合わない(グラフ参照)。米国科学アカデミーが主導して精査し、不適当と判断。のちにデータ統計処理法により誤りが指摘されている。にもかからず、IPCCの地球温暖化政策は動き続けている。
 そもそもCO2と気温の因果関係も間違っている。2000年以降、CO2濃度は急上昇しているが、気温は変化していない。CO2の変動は気温変化の主な原因とは言えない。
 IPCCの構成メンバーはCO2温暖化論者のみで占められ、研究実績のない環境運動家を数多く含み、資料の採否と査読は少数の人間の手に握られている。もともとCO2による地球温暖化を前提とした組織であって、公正なものではあり得なかったのだ。
 また、批判派の研究論文が発表されるのを妨害し、批判派の論文を報告書から排除した。さらに、発表論文の基礎データやコンピュータプログラムの公開を拒否し、時には改変したものを渡そうとしたこともある。情報公開法による資料公開の請求にも応じようとしなかった。このようにIPCC報告書には多くの誤りが指摘され、多くの疑問がもたれていたが、クライメートゲート事件と呼ばれる事件の発生によって、報告書作成の内幕が暴露されたことで、信頼は完全に失われた。
 IPCC報告書に多くの誤りや作為が含まれていたことは、海外では広く認識されているが、日本ではほとんど知られておらず、いまだにバイブル扱いされている。ジャーナリズムの貧困と言わざるを得ない。
 気候変動はなぜ起こるのか。気候が太陽活動と関係していることは古くから気づかれていた。太陽活動の変化によって地球に降り注ぐ宇宙線の強度が変化する。太陽活動が強まると宇宙線は弱くなり、逆に太陽活動が弱まり、宇宙線が強くなると低層の雲量が増え、平均気温を低下させることがわかってきた(図参照)。
 過去100年の気温上昇は大部分が宇宙線によるもので、CO2による分は約4分の1に過ぎない。最近、気温上昇がなくなったのは宇宙線が減少から増加に転じたため。気温変化は宇宙線より約20年遅れて起こる。現在の太陽活動の弱まり、宇宙線の強まりは、20年後に気温低下を引き起こす。この寒冷化は太陽活動の周期によって、今後100年以上続くと予測されている。IPCCの予測とは全く違う。逆に寒冷化に備えなければならなくなる。
 CO2の削減などを国際的に義務付けられている京都議定書は、目標そのものが間違っている。CO2排出削減は温暖化防止のためではなく、化石資源節約のために必要。エネルギー効率が世界一高い日本にとっては不平等条約だ。日本のCO2排出削減は、すずめの涙ほど。日本は国際政治の貧困と科学理解度の低さの付けを払わされる。
 ところが日本では、正確な情報が伝えられないため、人為的温暖化を信じ込まされている。小中学校で「CO2による地球温暖化」が教育されている。子供には理屈なしに刷り込まされてしまう。教科書から削除するために行政訴訟を起こすべき。さらに国と地方とで約3兆円もの温暖化対策予算が使われている。
 いまなすべきことは①京都議定書から脱退する②エネルギー利用効率の世界基準を提案する③温暖化対策費を廃止して、震災復興と新エネ開発に振り向ける④「CO2による地球温暖化」を教科書から削除する行政訴訟を起こす⑤温暖化ムラを解体する―ことだ。
 植物にとってはCO2が多いほど良い。CO2を悪者にするのは自然の摂理に反している。
 化石燃料は人類に与えられた宝物で、大切に使わなければならない。そのためには利用効率を高めることが重要で、これは日本が指導的立場に立てばできる。地球温暖化防止のためのCO2排出削減は間違っている。そのための出費は全くのムダであり、ただちにやめるべきだ。
 石油は二度と作れないと思われている。石油はその昔、藻類が作ったと言われている。藻類の中には、油や水素を作るものもある。そう遠くない将来、石油は採る時代から、藻類を利用して作る時代が来るだろう。こうした研究・開発分野に予算を付けることが重要だ。