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2012年3月


 

エネ庁・東日本大震災の石油流通実態調査で報告書
 
 

 資源エネルギー庁石油流通課は、大規模災害の発生を想定した今後の石油製品の安定供給体制の強化・拡充策を検証する「東日本大震災石油製品流通実態調査事業」報告書をまとめた。元売、給油所、消費者などへのアンケート・ヒアリングを通じて、震災で浮き彫りになった供給支障問題の実態を明らかにし、課題を整理し今後の緊急時に向けた具体的な施策を提示。①オイルターミナル、給油所などの災害対応能力の強化②石油会社間の共同体制の構築③石油備蓄④情報収集・提供体制の整備―という昨年12月末にエネ庁がまとめた「資源・燃料の安定供給確保のための先行実施対策」に加え、国・自治体、石油業界、需要家・消費者の三位一体の取り組みを提言した。
 調査は、①元売や被災地石油組合へのヒアリング②東北・関東の給油所アンケート③東北・関東の消費者アンケート④病院・警察・消防・輸送業者など需要家へのヒアリング⑤関東・東北の地方自治体へのアンケートを実施。今回の大震災による製油所や油槽所、給油所などの被災実態や復旧状況、供給混乱の実態について調査し、供給・需要サイド両面から供給支障問題などについて総括した。また、全石連の河本博隆副会長・専務理事ら業界・物流・防災関係の専門家で構成する「東日本大震災石油製品流通調査事業ワーキンググループ」を設置。震災被害を各専門家の視点から検証するとともに、それを踏まえた具体的な安定供給対策を検討した。
 供給サイドにおける課題では、津波の規模が大きくその被害を受けた地域が広域にわたり製油所や油槽所が被害を受けたほか、陸上物流網・港湾がダメージを受けたこと、さらには停電で製油所・油槽所・給油所の機能が大幅に低下したことで東北・関東地方の広い地域で供給支障問題が発生した。これらの問題を踏まえ、製油所・油槽所における停電など非常時に備えた設備の強化、石油会社間での共同計画の策定などの対応策など提示。給油所においては自家発電設備やタンクの大型化などによって災害対応能力を強化した中核給油所の整備、緊急車両への優先給油に関する仕組みの検討などを示した。
 一方、需要サイドでは地域の石油組合や自治体などに供給要請を行ったが、同一の依頼が同時に複数の者に行われたり、供給に必要な情報が整理されず混乱を来たしたほか、消費者もガソリン不足などへの懸念から給油所に殺到し、大行列や玉切れ閉店に追い込まれる給油所が大発生するなど、一時的な供給パニックに陥った。一部の給油所では店員に対する暴行などが発生した。これらの課題を踏まえ避難所や病院などでの製品備蓄の検討や消費者への的確な情報提供のあり方を検討すべきとした。
 さらに供給・需要サイドの対応策に加え、国・自治体、石油業界、需要家・消費者が、これらの課題・対応策を共有しつつ議論をさらに深めていくことが必要とし、今後進められる各地の災害想定の変化に合わせて見直しを進めていくなど、三位一体でのフォローアップが重要と指摘した。