マンスリーeye‎ > ‎視点‎ > ‎

2012年1月


 

経営実態調査~依然として半数が赤字、中小の苦境続く
 
 

 全国石油協会調査統計委員会(坂東辰男委員長)が先ごろまとめた2010年度(4~3月)の石油製品販売業経営実態調査によると、営業利益ベースの赤字企業は前年度の51.4%から48.9%にやや改善したものの、ほぼ半数が依然として赤字経営に陥っていることが明らかになった(グラフ①)。また、1ヵ所運営の赤字企業は55.1%と過半数を超えたほか、営業利益の低い「0円以上500万円未満」の企業を含めると構成比は76.8%に達し、経営体力がぜい弱な零細企業ほど厳しい経営状況に追い込まれていることが浮き彫りになった。
 調査は47都道府県企業数割りで1万社を対象に実施、2,354社(23.5%)から回答を得た。
 店頭販売単価は原油価格の上昇を反映しレギュラー平均は前年度比9.9円上昇の 126.7円、軽油が7.6円上昇の105.7円、灯油が10.5円上昇の76.3円でいずれも高値で推移した。粗利は軽油が1.2円下落の12.7円に悪化したものの、レギュラーが0.6円上昇の10.6円に良化、灯油は横ばいの11.5円となった。
 営業利益ベースでの赤字企業は48.9%と前年度の50%超からやや改善の兆しを見せた。ただ1SS運営の赤字企業は55.1%に達し、小規模零細企業の経営は赤字が過半を占めるという実態に変化は見られない。
 総仕入れに占める系列外仕入れ比率は、軽油が前年度と変わらず41.1%、灯油が0.3%減の46.9%となったが、レギュラーが0.4%増の34.1%、ハイオクが0.5%増の25.4%とガソリンの系列外仕入れの比率がやや高まった。
 セルフとフルのSS運営形態別に見ると、仕入単価差はハイオクが前年度と変わらず1.8円、レギュラーは0.1円縮小の1.6円となった。一方、販売単価差はハイオク、レギュラーは前年度の5.3円から5.9円、5.8円へ、フルの収益がやや改善したが、セルフの低価格指向に引っ張られ、依然5円台の少ない格差にある(グラフ②)。
 このほか、今後のSS経営については、「継続する」が64.6%を占めたが、「廃業を考えている」が11.5%に達したほか、「規模縮小」も6.4%、「未定」も16.7%となり、3社に1社に相当する販売業者が石油販売業の将来に不安を抱いていることがわかった。
 廃業の理由には「地下タンク規制強化への対応不能」が49.8%で最も多く、消防法改正省令の施行から1年が経過し、今後、経営存続に重く圧し掛かる設備投資負担への危機感を強めていることが明らかになった。次いで「粗利益減少」が40.3%、「燃料油販売量減少」が34.6%、「施設の老朽化」が30.3%、「後継者の不在」が21.2%と続く。